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キャリアアップのチャンスをつかむケーススタディ

2018年8月1日

ケーススタディとは、あるひとつの事例から一般法則を導き出す研究法のこと。ここでは、あるワーキングマザーを例に、どのようにしてキャリアアップのチャンスをつかんでいけばいいのか、考えてみましょう。

あなたは営業アシスタントとして働くワーママ

想像してみましょう。あなたはかつて、大手メーカーで営業の仕事をしていましたが、出産を機に退職。5年間のブランクの後、ABC株式会社にアルバイトとして就職し、今は営業アシスタントとして週4日働いています。

仕事内容は、簡単な顧客対応 やスケジュール管理、資料作成といった営業のサポートです。子どものお迎えのため、毎日4時半には退社しなくてはいけません。

勤務条件も悪くなく、人間関係も良好な職場で不満はありませんが、あなたはもっとやりがいのある仕事がしてみたいと思っています。また、外回りから戻った営業社員が、溜まった業務の消化に追われているのを知っているため、なにか役に立ちたいという気持ちも持っています。

勤務できる時間に制限があるなかで、あなたにはどんなことができるでしょうか。そして、どのような行動がキャリアアップにつながると思いますか?

キャリアアップにつながる行動の実践例

週4日、夕方4時半までという勤務条件のなかでも、できることはたくさんあります。い くつかの実践例を見ていきましょう。

例1)営業社員の仕事を巻き取る

営業社員が外回りから戻ったときに業務が溜まってしまっているのは、営業社員が処理できる分量よりも、実際にやらなければいけない仕事が多いからです。このオーバーした分の仕事を誰かが引き受ける、つまり巻き取ることができれば、営業社員の負担を減らすことができます。

営業社員の残務処理の負担を減らせれば、浮いた時間を新規の顧客の開拓に充てることもでき、営業チーム全体のパフォーマンスがアップ。仕事の巻き取り力を示すことで、チームや上司からの信頼を得られるでしょう。

営業社員が外回りをしている間に、アシスタントが進められる仕事は積極的に巻き取っていきましょう。仕事の幅を広げる ことで、自分のステップアップにもなります。

例2)ポジティブ提案力でチームに貢献

みんながやりたがらない仕事や、やらなくてはいけないのに置き去りにされている仕事こそ、キャリアアップにつながるチャンス。当初の予定にない仕事でも、チームのためになるなら買って出ましょう。

たとえば、顧客情報の整理とリスト化。リストを使えば、営業社員が顧客に合わせた提案をしやすくなります。あれば便利だと分かっているのに、人手や時間が足りなくて放置されているものがきっとあるはず。

チームのパフォーマンスをアップできるような、ポジティブな提案をしてみましょう。ポイントは、メリットとリスクを提示することと、「私にやらせてください」とさりげなくアピールすること。

ポジティブ提案力のある人材だと分かってもらえれば、むこうから意見を求められるようにもなるでしょう。

例3)ゼロからスタートする気持ちで仕事に臨む

営業経験者が営業アシスタントとして働くような場合、営業社員のやり方に口を出したくなったり、以前の職場と比較してしまったりということがあるかもしれません。

 

しかし、過去は過去です。今の仕事はアシスタントとして営業社員をサポートすることですから、その業務に徹しましょう。

 

経験や知識がプラスになる場面もあるでしょうが、基本的にはゼロからのスタートという気持ちで、フレッシュに謙虚にいきましょう。

行動を起こすときのポイント

キャリアアップやモチベーションアップのために、自分から行動していくことはとても大切です。ただ、張り切りすぎて煙たがられたり、タイミングを見誤って逆に迷惑をかけたりしては、元も子もありません。

 

仕事の巻き取りにしろ、提案にしろ、自分のやりたいという気持ちだけで突っ走らずに、会社やチームのメリットになるかということを、まずはよく考えてみましょう。ゆくゆくはキャリアアップにつなげていくことが目標ですが、そればかり考えて行動しては、単なる押し付けになってしまいかねません。

 

また、ただの便利屋さんになってしまわないように注意しましょう。営業社員や上司の雑務をひたすら引き受けていると、いつの間にか雑用係のようになって、負担ばかりが増えてしまうかもしれません。

 

そうなってしまうと、都合よく使われる存在になるだけで、キャリアアップは望めないでしょう。それどころか、今度はあなたが雑務に追われてキャパオーバーになり、仕事を続けていくことが困難になる危険性もあります。

 

自分から率先して仕事の幅を広げることと、言われるままに仕事を増やしていくことは似ているようで全く別のことです。雇用されている身とはいえ、ギブアンドテイクの精神を大切にしましょう。

 

この仕事をすることで未来が広がるか?キャリアアップにつながるか?を常に考えて、時には振られた仕事を断ったり、交渉したりすることも必要です。


今回は営業アシスタントとして働くワーキングマザーを例に考えてみましたが、イメージできたでしょうか?実際に置かれている状況とは違うかもしれませんが、ぜひ自分に置き換えて考えてみてください。