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「ゲストの体験談から学ぶ再挑戦とキャリア継続に必要なスキル」明治大学スマートキャリアプログラム

2021年7月20日

 

ワークアゲインチームでは、様々な形で女性の再挑戦を支援しており、その一環で明治大学スマートキャリアプログラムでの講座も担当しています。今回は7月14日に行われた、「ゲストの体験談から学ぶ再挑戦とキャリア継続に必要なスキル」をご紹介します。Warisワークアゲイン エデュケーションプランナーの島谷がファシリテーターを務め、ゲストが今の仕事に出会うまでのストーリーと、再挑戦の際に苦労したことや、離職期間があったことによる影響、再挑戦後のキャリア継続の実際についてもお聞きしました。 

突然の病気。30人に会い、自己分析を続けて気づいた「自分の軸」

 33歳の時に癌への罹患が発覚し、休職を余儀なくされた香川さん。休職中は会いたい人の話を聞いてみようと約30人の人に会いに行き、多様な価値観に触れました。また、自分との対話を通して「人が好き」「仕事が好き」という自分の軸に気づき、キャリアカウンセラーを目指すことに。資格取得後は、まずは人材業界で経験を積もうと、経験がある営業職を足掛かりに、人材サービス業の営業として仕事復帰。キャリアアドバイザー業務にも挑戦する中で、「キャリアカウンセラー業務に専念したい」という思いを強くし、Warisにキャリアカウンセラーとしてジョイン。香川さんは、スモールステップを設けて、少しずつやりたい仕事に近づこうと決めて、実行してきたのです。 

 癌に罹患したことは、晴天の霹靂で、「まさか30代で病気になるなんて」という気持ちだったそうです。けれども、病気を経験したことで「自分は生かされた」と認識し、これからは何事にも思い切って挑戦しようという思いを強くします。また、離職中のボランティア経験などのすべてが、現在のキャリアカウンセラー業務に活きていると言います。今後は、女性活躍支援のためにカウンセラーとしての経験を増やし、病気の経験がある自分だからできることを考え、イベントの企画などにも挑戦したいと考えていらっしゃいます。 

 

【香川 早紀(かがわ さき)さんプロフィール】 

製薬メーカー営業職を6年経験し、希望していた人事・教育部門へ異動。採用や研修などを担当し、残業続きだが充実感がある日々を送る。結婚後、33歳の時に、何の前触れなく癌が発覚!手術やその後の経過観察などで約半年程度休職する。 休職中に自分自身をひたすら深堀りし、キャリアコンサルタントの資格取得。ボランティアを通じて自分らしい働き方の探索を行う。その後、35歳で大手人材系企業へ転職し、営業とキャリアアドバイザーの両面を担当。同時にパラレルキャリアもスタートする。36歳の時に、キャリアカウンセラーの仕事に専念したいとWarisへジョイン。 出産を経て、2021年4月よりWarisへ復帰。 

 

成長したい気持ちに気づき、挑戦は人生にプラスにしかならないと一歩前進 

13年のブランクを経て再就職し、非常勤職員として働く中で、「もっと成長したい」という気持ちに気づいたことが、本格的な再就職活動のきっかけだったという江端さん。 

今諦めたら何も進まない、挑戦は人生にプラスにしかならない、と考えての決断でした。 

Warisワークアゲインのキャリアスクールに参加し、ベンチャー企業への再就職を目指しすも、その際はご縁がつながらず講座終了。けれども、粘り強く活動を続けて、現在の職場に再就職されています。良く見せようとするのではなく、ありのままの自分を見せて、「ここで働きたい!」と気持ちを伝え、面接官に遠慮なく質問して企業への強い関心が伝わったことなどが、結果につながったのです。   

江端さんは、ブランクが長いこともあって、最初は自信のなさが強かったと言います。一方で、久しぶりだからこそ仕事が楽しく感じられ、周囲から対人スキルを褒められたことで、主婦時代の人付き合いでスキルが磨かれていたことにも気づいたそうです。 

今後は、現在の職場で力を発揮したいと具体的な施策も考えていらっしゃいます。 

 

【江端 裕子(えばた ひろこ)さんプロフィール】 

1975年生、大学卒業後、編集プロダクションに就職し、健康・福祉系の雑誌の編集に従事。取材、記事執筆、校正等を担当。2年半働いたのち、結婚を機に専業主婦に。2人の子供を出産後、主婦業にしっかりコミットしようと気持ちを切り替えて13年過ごす。 2015年、第一子が中学生になったのを機に塾講師として仕事復帰。その後講師と事務局を兼務したことをきっかけに、裏方として事業を支えるバックオフィス業務に関心を持ち、非常勤職員として大学事務に転職。働く中で、もう少し負荷のある環境で成長したいとの気持ちが強くなり、Warisキャリアスクールに参加。ミートアップイベントでは就職につながらなかったが、就活を継続し一般社団法人構想日本に就職。経理、会員管理をメインに担当。

 

 

自分にしかできないことを求めて、現実と折り合いをつける 

 海外駐在帯同から帰国後、夢だった脚本家の専門学校へ通い、デビューを果たした黒崎さん。好きな仕事で手ごたえを感じていましたが、数年後、やったことが結果につながりにくくなる出来事が続くようになりました。40代半ばとなり、関わるメンバーの世代交代等、自分ではコントロールできないことの影響もあり、行き詰まりを感じるようになったのです。そのような時に知人から声がかかり、カフェでのアルバイトを経験。接客業への適性を実感する中、次に声がかかったのが、娘さんから紹介されたエシカル商品セレクトショップの仕事でした。店長に昇格し、やりがいを感じていていましたが閉店が決定。その時に、鎌倉でポップアップショップを経験したことを思い出したことで、知人から物件の紹介につながり、2021年1月、鎌倉雪ノ下に「えしかる屋」をオープン。現在は店長として活躍されています。   

現在50代の黒崎さんは、40代以降は家族の病気やライフイベントの影響もあり、自分の時間があまりとれない時期もあったそうです。それでも「仕事をすることは当たり前」という思いがあったことが、今につながっていると言います。PTA副会長の活動、海外駐在帯同、親の介護などのすべてが、その時はマイナスだと思っていたとしても、今はプラスになったと感じているのです。現実と折り合いをつけながら生活し、少し心と時間に余裕ができたときに、行動を起こせばよいのです。今後は、実店舗の強みを活かした施策や、学生時代から好きだった映像に関わる活動に挑戦したいとお話されていました。   

 

【黒崎 りえ(くろさき りえ)さん プロフィール】 

四年制大学卒業後、総合電機メーカーに就職。体調を崩し2年で退職し、フリーで翻訳や研修講師に従事。その後、海外赴任帯同でインドネシアに6年在住し、その間に二人の子供を出産。 帰国後、長年の夢だった脚本家を目指し専門学校に通学。コンペを勝ち抜き2004年漫画原作者としてデビュー。その後、深夜ドラマやNHKの朗読劇の脚本などを担当。 2016年、仕事に行き詰まりを感じていた時期に、大学生の娘に勧められ、エシカル商品セレクトショップでのアルバイトを開始。店長に昇格するが2020年閉店が決定。 お世話になった方から鎌倉の賃貸物件を紹介され、独立を決意。2021年1月、鎌倉雪ノ下に「えしかる屋」をオープン。現在、店長(個人事業主)として奮闘中。 

 

再挑戦に必要なポータブルスキル・スタンスとは 

ゲストのお話を聞いた後は、グループに分かれてゲストが発揮していたポータブルスキル・スタンスについてディスカッションを行いました。「挑戦力」「ネガティブなことをポジティブに変える強さ」「一歩ずつ進む力」「人のつながりを使う力」等が挙がっていました。 

また、やりたい仕事へスモールステップを踏んで近づく方法や、壁があってもそこであきらめずに一歩進める姿勢等も、スキルとして挙げられました。   

そして3人のゲストが大切にしているスタンスの話では、「自分でないとできないこと」「成長したいという気持ち」「やりたいこと・興味があること」等が挙がりました。   

講座の後の振り返りでは、ファシリテーターと受講生との間で、ゲストの話を参考に「再挑戦を後押しする原動力」というテーマでディスカッションを行いました。それぞれに、「自分でないとできないこと」「一歩踏み出したいと思ったこと」があり、お互いに再確認することもできました。   

ゲストの皆様、貴重なお話をありがとうございました。 

次回からは、受講生の自己分析や市場ニーズ分析、自己PRへ取組みます。     

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