サイトへ戻る

転職・キャリアアップに役立つ!自分軸に気付くケーススタディ

2018年8月1日

ケーススタディとは、あるひとつの事例から一般法則を導き出す研究法のこと。ここでは、あるワーキングマザーを例に、転職やキャリアアップについての選択を迫られたとき、どのようなプロセスで考えていけばいいのか、シュミレーションしてみましょう。

あなたはパートとして働く3児の母

想像してみましょう。あなたは3人の子どもを持つ母親。一番下の子はまだ小学2年生ですが、一番上の子は高校生です。

介護施設のデイサービスで、週3日パートで働いています。職場は通いやすい距離にあり、勤務時間も希望に合っていて、人間関係も良好。大きな不満はありません。

ただ、あなたは福祉系の資格を持っていないため、仕事内容は専門スタッフのサポートのみ。今の働き方を続けても専門的なスキルを身につけることはできませんし、体力勝負な仕事でもあるので、いつまで続けられるのか、このまま続けていっていいのか考えてしまうことがあります。

そんなある日、大学時代の友人から連絡があり「秘書を募集している会社があるんだけど、応募してみない?」と誘われたあなた。その仕事は正社員契約で、週5日のフルタイム。通勤には1時間かかります。

仕事と家事・育児をこなすのは、パート勤務の今でもなかなか大変です。でも、正社員で事務職の仕事にチャレンジするなら年齢的 にもこれが最後のタイミングではという思いがあり、やってみたいのが本音です。

さっそく夫に相談したところ、「今でも大変そうなのに、フルタイムなんてどう考えても無理。今の職場のままでいい」と猛反対されてしまいました。あなたなら、どうしますか?

考えられる選択肢は?

今回のケースでは、見た目の選択肢は「今の職場にとどまる」と「正社員の仕事に応募する」の2つだけに思えるかもしれません。でも、実際にはもっと複雑で、見えない選択肢が存在しています。

たとえば、ねばり強く夫を説得するか、押し切ってしまうかといった、家族への向き合い方の選択肢。そして、今の職場にとどまるとしても、これまで通りの働き方を続けるか、福祉系の資格を取ってキャリ アアップを狙うかという選択肢があります。

今の仕事と新しい仕事について考えるときも、通勤時間や勤務時間に注目して考えるのか、仕事のやりがいや自分の生きがいを基準にするのか、どの切り口で評価するかで違ってきますよね。もしかしたら、親の介護が始まっているとか、子どもが病気で定期的な通院が必要だとか、他に考慮すべき事情もあるかもしれません。

また、仕事は単にお金を稼ぐ手段というわけではなく、人生のあり方に深く関わってくるもの。これから先、夫とどのような関係を築いていきたいかなども、選択決定の重要なポイントになるでしょう。

見た目の結果は同じでも、動機や思考のプロセスなどが違ういくつもの選択肢が浮かんでくると思います。書き出したり、第三者に聞いてもらったりすることで、選択肢を洗い出していきましょう。

自分軸を見つける

現代は、人生100年時代と言われています。まだまだ長く続いていく人生ですから、ひとつずつの選択にしっかりと向き合っていかなくてはいけません。

何を大切にして生きていきたいのか、その指針になるものを常に意識できるとブレることがないでしょう。それが「自分軸」です。

自分が今置かれている環境や、している仕事、年収、家族との関係性、それらすべてが今のあなたを形作っていますが、必ず優先順位があるはず。一番大切なこと、これだけは譲れないもの、とくにこだわっていないこと、変えたいと思っているもの……ひとつずつ確認していくと、何が自分軸になっているかに気づくことができるでしょう。

転職か現状維持かという問題にとどまらず、ライフスタイルやライフプラン、家族との関わり方に大きな変化を与える選択になります。後悔のない選択をするためには、短期的な視点だけでなく、10〜20年単位の長期的な視点でも考えてみるなど、できるだけ多角的に捉えるようにする必要があります。

視野は広く、いろんな角度から見みてみよう

はじめのうちはどうしても視野が狭くなりがちで、目先のことばかり考えてしまうもの。そうするとどんどん臆病になって「今のままでいいかな……」という気持ちに流されてしまいます。

 

あらゆる可能性を考えた末に、現状のままでいくと決めたのならいいのですが、重要な選択をなんとなくで決定するのは避けたいですよね。「自分の人生のハンドルは 自分が握っているんだ」という意識を大切にして、安易に答えを出さないことです。

 

人生は選択の連続だといいますが、自分軸をしっかり認識できていれば、そのたびに戸惑うことはありません。何かを選択しなくてはいけない場面に出会ったら、いい機会だと考えて自分自身にじっくり向き合ってみましょう。

まとめ

今回は介護施設でパートとして働くワーキングマザーを例に考えてみましたが、イメージできたでしょうか?実際に置かれている状況とは違うかもしれませんが、ぜひ自分に置き換えて考えてみてください。